恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「そんなんじゃないよ。
あたしがした不正、聞いてたんでしょ?」
「不正?」
「あたしを生徒会選挙で裏当選させたっていう話! 聞いてたんでしょ?」
「……聞いてたけど」
素直に言うと、沢村は顔をしかめながら考え込む。
そして、じっと俺を見上げて聞いた。
「誰かに言う?」
「……言わないけど」
「ホントに? あたしと本宮先輩がした裏工作、一緒に隠し通してくれる?」
「おまえ、さっきから大げさだって。
裏当選だとか裏工作だとか。んな大事でもねーだろ」
呆れながら言うと、沢村は苦笑いを浮かべた。
苦笑いっつーか、薄笑いか?