恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
┗尚哉SIDE
【尚哉SIDE】
「ホントにありがと……っ」
後ろでそう叫ぶ沢村に、振り向かないまま片手を上げた。
階段を上がろうとして、2階が騒がしい事に気付く。
あー……、お化け屋敷とかやってんのか。
どっちみち、タオル取りに行こうとしただけだし、教室行く必要もねーか。
握ったままの沢村のタオルを見て、方向を変えて歩き出す。
一般客への開放は、校庭と南校舎と体育館。
中庭だとか北校舎は立ち入り禁止なのを覚えてたから、そっちに向かう。
予想通り静かだった中庭に安心しながら自販機の前に立った時。
「尚哉」
後ろから呼ばれた。