恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
本気で好きだったとしたら。
それぐらいの時間想いが変わらなくても、不思議じゃない。
……佐藤が俺の事をそこまで好きなのかは、よく分かんねーけど。
でも。
「本宮の予想通りだとしたら。
財布ん時も、津田じゃなくて佐藤が主犯格だったのかもしれないよな」
「どう思う?」
「……ありえなくはない。
沢村も、津田の事“そんなタイプじゃない”とか言ってた気がするし」
「だろ」と、ため息混じりに言う本宮。
春の風が、中庭の草だとか、俺たちの髪を揺らす。
南校舎からは、風に乗った賑やかな音が聞こえてきていた。
「……沢村、さっき泣いてた」
呟くくらいの声で言ったのに、本宮は勢いよく俺を見た。
そして、眉を潜めながら聞く。