恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「今のプリクラって、目がすっごい大きくなるんだよね。異常なくらい」
駅ビルの中のゲーセンは、相変わらず学生ばっかで込み合ってた。
その中でもダントツに人の多いプリクラのコーナーの人口密度は、他の1,5倍くらい。
「あ、あいてるからコレでいい?」
沢村が指すのは、“美”っていう字と、すげーでか目の同じような女が映ってるヤツ。
「どれでもいーけど……、ホント、目でかいな」
「ねー。ちょっとやりすぎだよね。
可愛くは映るのかもしれないけど、プリクラに映ってる自分見ても違和感あるもん」
中に入ると、眩しいくらい白い空間が広がる。
「イスまでついてんの? すげーな」
「ついてないのも多いよ。多分、最新のはついてないんじゃないかな。
これ、誰も並んでなかったし、ちょっと古いヤツなのかも」