恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「おまえ、何やってんの?」
都築くんの下唇からも血が滲んでる。
あたしが噛んだのは、都築くんの下唇だったみたい。
「なんで自分のまで噛んでんだよ」
「……なんでって、」
……本宮先輩が好きなくせに、都築くんのキスをイヤだと思えなかったから。
けど、そんな事は言えなくて、気まずくなって目を逸らした。
「つ、都築くんのプライドをキズつけちゃったのかと思って」
「プライド?」
「あたしが、“信用してる”とか、都築くんの事、男として見てないみたいな事言ったから。
都築くんモテるじゃん。
だから、男として見られてないとかってプライドが許さないのかなって」
「……」
「考えてみると、男の人相手に“信用してる”って、褒め言葉じゃなかったかもって」
「だから自分の唇まで噛んだって?」