恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*



言ってる途中に、止められる。

それは、都築くんが右手の人差し指をあたしの口に押し込んできたからなんだけど……。


「ふふひ、ふん……?(都築、くん……?)」



なに、この状況。


都築くんが押し込んでるのは、曲げた人差し指の第一関節の部分。

そんなに太くないから息苦しくはないけど……。


困って見上げると、都築くんは不貞腐れた顔のままあたしを見ていた。


「殴んねーんだったら、思いっきり噛め」

「……」

「しねーと、キスの事学校中にバラす」


……噛まれたいなんて、やっぱり、Mなんじゃないかな。

それも結構なドM。


でも、しろって言うし。

学校中になんかバラされたら……なんて、考えるだけでゾっとするし。


都築くんが望んでる事とは言え、ちょっと悪い気はするけど。


顔をしかめた後、一度大きく口を開けて、都築くんの指に噛み付いた。










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