恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
┗尚哉SIDE
【尚哉SIDE】
「いってー……」
「だ、だって都築くんが噛めって……」
骨が折れたんじゃねーかってくらいに思いっきり噛まれた人差し指。
苦笑いして本音をもらすと、それを聞いた沢村が慌てて俺の指を見る。
見事に歯型の痕がついた指を見て、沢村は申し訳なさそうに顔をしかめた。
「ごめ……」
「謝んなよ。
俺がしろって言ったんだろ。おまえは気にすんな」
「でも……、」
「あー、やっぱ、気にしとけ」
「え、どっち?」
噛まれた事をどうこう思ってて欲しいわけでもないし、罪悪感とかは持って欲しくない。
けど。
俺とこーいう時間を過ごしたって事は、簡単に忘れて欲しくない。