恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
だけど、どうやっても自分では確認できない場所で困ってると、先輩は指先であたしの肘に触った。
「あ、先輩っ、汚れちゃうから……」
「これで大丈夫」
「あ……、すみません」
にこっと笑った先輩。
またポワーンとしながら見とれていると、目を合わせた先輩が言う。
「俺も今から帰るところなんだけど、たまには寄り道でもして行く?」
「え……っ、いいんですか?!」
信じられない誘いだったから、おおげさなくらい驚いて聞く。
先輩は、笑って頷いた。
「カバン持ってくるから、ちょっと待ってて。
唯が使ってる玄関で待っててくれる?」
コクコクと頷いたあたしに、先輩がもう一度笑った。