恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


先輩とこんな風に寄り道して、並んで座れるとか。

買ってもらったコーヒーを飲めるとか。


ホントに、夢みたいな時間。

この時間だけで十分甘い……、とか思ってから、イタイかもって気付いて苦笑いする。


「苦くない? 飲めそう?」

「全然大丈夫ですっ。先輩に買ってもらったってだけでおいしいです」


にっこり笑って言うと、先輩が笑う。

気持ちを言葉に出し過ぎないようにって思ってるのに、先輩の前になるとブレーキが利かなくなるから困る。


無意識に抱きついたりとか、行動に出ないだけまだマシなのかもしれないけど。


夏にまた近づいた空の色は、見事なスカイブルー。

だけど、太陽はもうかなり傾いていた。



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