恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
ベンチの後ろにある木の上で、葉っぱが揺れてカサカサと音を立てる。
その音が、都築くんとよく過ごす学校の裏庭を思い出させた。
「生徒会で一緒になるまで、ほとんど話した事ってなかったんですけど……。
先輩が都築くんを気に入ってるのが分かる気がします」
せっかくふたりきりなのに、他の男の子の話題もどうかとも思ったけど。
だけど、都築くんの話ならいい気がして言う。
「やんちゃっぽいくて憎めないっていうか……、クールに見せてるけど、ホントはよく笑うし。
色々気遣ってくれるし、いい人ですよね」
「あいつ、見た目で損してるからな。
本当はいいヤツなのに、わざとそれを隠してるようなトコロがあるから。
でも……、唯に優しいのは、尚哉が唯を気に入ってるからだと思うけど」
「え、都築くんが?」