恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
聞かれて、目をパチパチさせてから頷く。
先輩は、微笑んだまま聞いてるけど……。
意外な事を聞かれて、首を傾げながら答える。
「そうですけど?」
「―――男として好きなんじゃなくて?」
「え……?」
「尚哉の事、男として好きなんじゃないの?」
聞かれた瞬間、なんとも言えない感情が一気に溢れてくるのが分かった。
悲しさ。
寂しさ。
怒り。
切なさ。
虚しさ。
そんな、胸のどこかに閉じ込めてある気持ちが、ぶわって一気に身体中に広がっていく。
喉の奥でなんとか堪えようとしたけど、無理だった。
気付いた時には、目が熱を持っていた。
見つめ合ったままだった先輩の顔が、驚きに変わる。