恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「……」
ただじっとしている事しかできないあたしをしばらく抱き締めた後、先輩が腕の力を緩める。
少し離れた先輩が、あたしのおでこに唇をあてる。
胸がドクン!ってこれ以上ないくらい跳ね上がった。
帰ってこないんじゃないかってほど跳ねた後、ドキドキドキドキ、速いペースで刻み続ける。
「せ、先輩……?」
「黙って……」
こめかみのあたりにもキスをした先輩を呼ぶと、優しく注意される。
先輩の唇は、まるであたしの輪郭を辿るように触れていく。
ほっぺや鼻、まぶた。
魔法にでもかけられたみたいだった。
先輩以外、何も考えられなくなる魔法。