恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


「……先輩は、後悔しませんか?」

「……え?」

「前向きな気持ちで、彩香さんとの恋を過去にしようと思ってるなら、あたしはなんでもする。先輩のためだったら、なんでも。

先輩に利用されるなら全然構わないし、そうして欲しいって思ってる」


「……」

「けど……、あたしが可哀想だとか、そんな理由が少しでも混ざってるキスなら、いらない。

そんな理由のキスなら……、先輩はきっと後悔する。

今でも彩香さんを想ってるなら。絶対に後悔するから」


“彩香”って名前を出したからなのか。

先輩の瞳が動揺して揺れる。


「あたしは……、あたしとキスした事を、先輩に後悔なんかして欲しくないです……」

「唯……」


涙が瞳に溜まる。

それでも見つめていると、先輩は申し訳なさそうに目を伏せた。



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