恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
┗尚哉SIDE
【尚哉SIDE】
「昨日ね、本宮先輩にキスされそうになったんだ」
昼休み、急に沢村が言い出すから、思いっきり顔をしかめて隣を見る。
子猫の額を指先で撫でる沢村の横顔は、心なしか元気がないように見えた。
「されそうになった?」
「うん。あたしが途中で止めたから未遂だけど」
「は? なんでおまえが止めるんだよ」
本宮があんなに好きなくせに。
意味が分からなくて見ていると、沢村が目を伏せる。
……こいつ、目腫れてる。
「先輩に、後悔して欲しくなかったから」
「後悔?」