恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
沢村の瞳が、歪んでいく。
泣いた痕が残る目を伏せた沢村を抱えながら、勢いをつけて上半身を起こした。
そして、キズついた目をしている沢村を、そのまま抱き締める。
「つ、都築く……、」
「ちょっと頭がクラクラしてるから、こーしてて」
沢村にもたれながら言うと、沢村が俺の胸をぐっと押した。
「都築くん、ずるいよ! こんな時ばっか優しくして……っ。
昨日の今日で涙腺緩んだままだからすぐ涙出ちゃうのに!」
「知らねーよ。沢村の涙腺事情なんか」
「ホント……っ、女ったらしっ!
弱ってるとこ狙っておとすのが手なんでしょ!」
「だから、おまえが思うほどたらしじゃねーって。
大体、泣いてる女なんか面倒くせーし、わざわざそんなトコ狙わねーよ。
何回も言わすな」
「でも……っ、」
「うん。なに?」