恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


コソコソ話しながら佐藤さんの行動を監視する。

あたしのロッカーを開けた佐藤さんは、少し中を探った後、一度手を止めた。


そして、ゆっくりと手にしたプリクラをロッカーから出して見つめる。


じっと見つめた後、だんだん険しくなっていく佐藤さんの表情。

そんな横顔を見ていたら、なんだか気持ちが悲しくなった。


想っても想っても上手くいかなくて。

それでどこかで気持ちがひねくれちゃったんだ。


想いが届かない相手をずっと真っ直ぐに想い続けるって、想像するよりもずっとツラいモノだから。


気持ちの中にある少しの隙に、ズルい考えが入り込んじゃったりして。

妬んだりとかやきもち焼いたりとか。


そんな考えばっかが、好きって気持ちよりも大きくなっちゃって。

一度入り込んだら、なかなか心の中から消えなくて、苦しくて苦しくて、それで……。




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