恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
佐藤さんが出て行った教室。
ぴしゃっと閉められたドアを見た後、都築くんはあたしの前まできて立ち止まる。
そして、聞いた。
「さっき、なんか言おうとしてたろ。なに?」
佐藤さんが都築くんに渡したキーホルダー。
それをあたしに手渡しながら聞く都築くんを、じっと見上げる。
さっきは、断わろうと思ってた。
本宮先輩が好きだからって、そう言おうとしてた。
けど、都築くんはそれを分かってる。
あたしが先輩を想ってるって事を。
それを分かりながらも好きになったって、さっき、都築くんが佐藤さんに言った言葉で知った。
「……リスクばっかりの恋だったらどうするの?」
聞くと、都築くんが笑う。