恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「彩香先生……? あ、って、本宮先輩の?!」
見上げると、都築くんが頷く。
「彩香がどーかした?」
「あ、うん。夏休みで、アメリカに帰っちゃうんだって」
「え……、」
あたしと都築くんの声が重なった。
「帰るって?」
「もともと期間が決まってたらしいんだけど……、都築くん知らなかった?」
都築くんが小さく首を振ると、佐藤さんは「えっと」って続ける。
「来月中には帰っちゃうらしいの。
だから送別会するってメールがこないだ来たんだけど……。送別会の事、生徒会長も都築くんも知らないんじゃないかと思って。
生徒会長とは色々噂もあったし、一応知らせとこうかなって」
「じゃあ」って、佐藤さんが笑顔を残して教室を出る。
静かになった教室。
見上げると、驚きを隠せない都築くんがいた。