恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「どーするもなにもねーだろ。なんにもできないし」
「……でも、知らせた方がいいよね」
「別にいいんじゃねーの。本宮も誰かから聞いてるかもしれないし」
「でも……、もし知らなかったら?
先輩、ずっと彩香さんに会えなくなっちゃうかもしれないんだよ」
隣に座る都築くんを見上げながら言う。
夏前の空を眺めていた都築くんが、ゆっくりとあたしに視線を移す。
そして、じっと見つめて聞いた。
「そうかもしれない。
……けど、おまえが知らせんの? 本宮が好きなのに?」
「それは……」
「会ったら、ヨリを戻す可能性だってあるって分かってんだろ?
それを分かってながら、引き合わせんの?」