恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
静かに落ちる雨が、髪を伝って雫になって地面に落ちる。
「……都築くん、あたし……」
そう切り出して、都築くんを見上げる。
都築くんは、はーっとため息をついてから、あたしを見て顔をしかめた。
心底呆れてるような、そんな顔。
「……ったく。分かった。追えばいいんだろ」
「あたしが追うから、都築くんは……、」
「いーよ。ここまで関ったんだし、最後まで見届ける。
つーか、おまえひとりで行かせんのも心配だし」
そう言って都築くんが歩き出す。
「それに。本宮と彩香の事は、どーなっても関係ないにしても。
沢村と本宮がどーにかなったりしたら、俺にも関係してくるし」
「ほら、行くんだろ」って言った都築くんが、あたしを振り返る。
都築くんが今どんな気持ちで協力してくれてるのか、とか。
都築くんへの罪悪感だとか。
色々感じる事はあった。
けど、それを振り落とすように、都築くんの後を追った。