恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


色んな制服を着た学生の間を、都築くんがかきわけるようにして歩いていく。

すいすい歩いていく都築くんとは違って、平均身長のあたしは人にぶつかってばっかりだし。


背の高い都築くんを見失わないようになんとか追っていると、横でふざけていた男子にぶつかられる。

ドン、とぶつかられてよろけそうになったところを、他の子に支えられた。


「大丈夫?」

「あ、はい。すみません」

「あれ、なにこの子。うちの中学にいたっけ? 何期生?」


支えてくれた男子と、ぶつかってきた男子。

ふたりに目の前を塞がれる。


ふたりとも黒髪で短髪っていう、男らしい感じではあるけど、ニヤニヤしてるせいで台無し。

先輩の微笑みとは大違い。


多分、あたしの下着が透けてるのを見て、気持ち悪い笑い方になってるんだろうけど。

ブラウスが濡れたせいで、色とか完全に透けてるし。




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