恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「えーっと、急いでるからごめんなさい」
「っていうか、びしょ濡れじゃん。傘持ってこなかったの?」
「……急いでるから通して」
「あ、俺タオル持ってるから貸してあげるよ」
これって、ナンパになるのかな。
そんな事を考えながらも、都築くんを探す。
だけど、タオルを持ってきた男子が視界を塞いだ。
「はい」
「……どうも。でも急いでるって言ってるでしょ。通して」
「なんで急いでるの? あ、彩香先生?」
「そう」
「でも、彩香先生なら今いないよ。
また戻ってくるからそれまでここで待ってればいいじゃん」
「えっ、なんでいないの?」