恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
ケガとか……。
中3の夏前って、最後の大会があったりする季節だ。
いつも優しく微笑んでくれる先輩が、ツラそうに笑うから、気持ちがシュンと落ち込んでいく。
だって、こんな先輩の笑顔は初めてだったから。
先輩、イヤな気持ちになってないかな……。
「無神経に聞いたりして、すみません」
不安になりながら見上げると、先輩は微笑んで首を振った。
「元は、俺がキャプテンをしてたんだ。
辞めると同時に尚哉に役割を託した。
けど、あいつも結局その2ヵ月後とかに辞めたんだけど」
先輩が笑う。
だけど、その笑顔がやっぱり寂しそうに見えて、それ以上聞くことができなかった。