恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


涙が浮かびながらもそんな風に思ってふっと笑った時。

前を歩いていた都築くんが急に立ち止まった。


「わ……っ」


都築くんの背中に思いきり鼻をぶつけて止まる。

鼻をさすりながら隣に並んで見上げると、都築くんが一点を眺めていた。


「……本宮と彩香だ」

「え……」


視線の先を追うと、そこは前、本宮先輩と一緒にきた公園だった。

初めてで、最後のデートだった時にきた、あの公園。


公園の中に、傘をさした本宮先輩が立っていた。

そしてその近くには、同じく傘をさした……、彩香さん……?


「……あの、」

「ん?」

「あれが、彩香さん……?」



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