恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


先輩が聞く。

彩香さんをじっと見つめる瞳が、歪められていた。


雨が降る中、しばらく見つめあった後、彩香さんが首を振る。


「できるわけ、ないじゃない……。

3年も時間があったのに、誰も好きになれなかったの。

亘の事ばかり考えて過ごしてた。

なのに……、新しいスタートなんかきれない」


少しくもった声が、泣いてるみたいに聞こえた。


「だからせめて亘だけでもって思ってたのに……。

亘まで何やってるのよ」

「……ごめん」

「3年も連絡しなかったのよ。

そんな女、すぐに忘れて大切な人を探せばよかったのに……っ。

そうして欲しかったのに……」




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