恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


苦笑いしながら言うと、さっきまでの勢いをなくした津田さんが黙る。

そしてあたしをじっと見た後、ふんって声が聞こえてきそうなくらい威勢よく顔を背けた。


「……あれ、もういいの?」

「あたしだって、失恋したてのアンタを痛めつけようとしたわけじゃないし。

ただ、尚哉がアンタの事言ってたから、確かめたかっただけ」

「津田さん……」

「でも、もし本当に尚哉と付き合うとかって事になったら、隠したりしないでよね。

こっちだって、中途半端な気持ちで追い回してるわけじゃないんだから」


背中を向けたまま言う津田さん。

タイプは全然違うけど……、やっぱり津田さんはあたしと似てる。


正直で、真っ向勝負をしかけて、駆け引きを知らない。

それぐらい、好きな人に夢中なんだ。



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