恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「うん。万が一だけど、都築くんと付き合う事になったら隠さないし、報告するよ。
正面きって勝負する」
ニコっと笑って言うと、津田さんは顔半分だけ振り向いた後、背中を向けて歩き始める。
壁に埋まりそうだった背中をさすりながら席に戻ると、カバンを持ったままの千春が近づいてきて笑った。
「朝からすごい白熱してたね」
「なんか変な噂が広まっちゃったみたいだからね。
でも津田さんは話分かるから気持ちいいよ。裏で悪口言うようなタイプより全然いい」
「唯も津田さんも女独特のねちっこい部分が欠けてるからね。
恋愛に関しては合うんじゃない?」
「そうかも」
笑いながら教室を見回すけど、まだ都築くんの姿が見えない。
登校してるって行ってたのに、どこ行っちゃったんだろ。
もうすぐ朝のHR始まっちゃうから、その前に風邪引かせちゃった事謝りたかったのに……。