恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


「でもさー、唯、去年ほど落ち込んでないよね」

「え?」


前の席に座った千春に言われて、視線を戻す。

千春は、組んだ足をプラプラさせながらあたしを見ていた。


「元カレと別れた時はさー、結構長い事ひきずってたじゃん。

高校入学してきた時は、別れて半年経ってたのに毎日暗かったし、めそめそしてた」

「……蒸し返さないでってば」

「そうじゃなくて。

前はそんなんだったのに、今回は失恋したのに普通だしって話。

なんで? もう立ち直ったとか?」


言われてみれば。


元カレと別れた時は、確かにそうだった。

何度も千春だとか本宮先輩に泣きついてたし、毎日元カレを思い出しては落ち込んでた。

けど、今は……。



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