恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「呼び捨てにすんな」
「おまえが俺を名字で呼び捨てにするからだろ。
俺が優位に立つには、名前で呼ぶしかないんだから。
先輩って呼ぶなら、“都築”って呼ぶけど」
「今さら“先輩”とか、気持ち悪いだろ」
苦笑いで言うと、本宮も「確かにな」って笑う。
そんな姿を見ながら、待ち伏せしてまで知りたかった本題を切り出した。
「なんで俺を選んだりしたんだよ」
俺がそう聞くって分かってたのか。
本宮はすぐに答えた。
「気心が知れてるヤツの方がやりやすいだろ」
「……沢村も同じ理由で?」
本宮が、少しだけ気まずそうに笑う。