恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


都築くん、うすーく香水つけてるけど、近づいて気付くくらいだし。

クンクン鼻を鳴らしてみたけど、カーテンの向こうからここまで香ってくるとか、よっぽどだし。

あー……、津田さんが寝てれば分かったかもしれないけど。


とりあえず、上靴で判断しようと思って、カーテンの下からそーっと覗こうとした時。

カーテンの向こうから声が聞こえてきた。


「―――あたしだったら、今すぐでもいいのに」


ちょっと色気を含んだ先輩の声だった。


「……」

「あんな子やめたら?

移り気激しそうだし、あんなあからさまな態度取るなんて、おかしいじゃん」


都築くんの声は聞こえてこないけど。

多分、“あんな子”っていうのはあたしの事だと思う。



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