恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「どうしたの?」
「なにが? 静かに寝かしてくれないんじゃここいる必要もねーし、教室戻ろーかと思っただけ」
「え……、でも、襲う方が好きって……」
期待した気持ちを折られた先輩が、不思議そうに聞く。
都築くんは首を傾げて笑った。
「相手が好きな女だったらの話だろ。
勘違いさせたんなら悪いけど、おまえ相手じゃ無理」
「え」って、間の抜けた声を出した先輩にふっと笑った後、都築くんが歩き始める。
逃げようと思って背中を向けた途端、シャって音を立ててカーテンが開いた。
「……沢村?」
呼ばれてゆっくり振り向くと、普通の顔する都築くんと、険しい顔をした先輩が映る。
「ごめん。都築くん体調悪いって聞いたから心配になって見にきたら……、うっかり居合わせちゃって」
「別に聞かれちゃマズイ事なんか話してねーし」
「でも……」