恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
都築くんはそうだとしても、先輩は……。
先輩、見るからに自信満々な感じだし。
迫って振られたとか、プライドに関るハズ。
そう思ってチラっと視線を移すと、ムっとした顔をした先輩がツカツカと歩き出す。
そしてあたしの横を通り過ぎる時、チって舌打ちをした。
「いいのか? さっきのほっといて」
ドアをピシャ!っと閉めた先輩の足音が遠ざかっていく。
聞いてきた都築くんを見上げて苦笑いを返した。
「多分、都築くんに断わられてプライド傷ついてるだろうから」
「つーか、あいつ、文化祭ん時文句ばっか言ってたヤツだろ?」
「そう。都築くんが“暇そーにしてるなら案内係代われ”とか失礼な事言ってた先輩。
……そう考えると、あんな事言われときながらよく迫れたよね。
叱ってくれた都築くんを好きになったのかな」
呆れながら笑うと、都築くんがじっと見ている事に気付いた。