恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


会議が終わったばっかの生徒会室。

続々とドアから出て行く生徒に紛れて、沢村も教室から出て行くのが見えた。


それを見て立ち上がると、本宮が俯いたままつぶやく。


「俺のせいだよな」

「……さぁ。違うんじゃねーの」

「だけど、」

「だとしても、沢村はおまえに責任だとかは感じて欲しくないって思ってると思うけど。

……あんまうぬぼれてんじゃねーよ」


笑いながら言うと、つらそうに顔を歪めていた本宮が苦笑いする。

そして、「そうだな」ってもらした後、俺の胸にプリントを押し付けた。


「これ、さっき唯が持って行ったダンボールに入れ忘れたプリント。

どうせ追いかけるんだろ? ついでに頼む」

「……了解」


微笑む本宮に苦笑いした後、生徒会室を出る。

走って渡り廊下を渡りきった時、危なっかしく階段を上がる沢村の後ろ姿が見えた。



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