恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「無理すんな。あぶねーだろ」
「あ……、都築くん……」
ダンボールを取った俺を見て、沢村が驚いた顔をする。
その後、目を逸らして笑う。
「ありがと……」
「……おまえ、なんかよそよそしくねー?
夏休み入った頃からおかしーだろ」
本宮相手にだったら、こーいう態度とるのも分かるけど。
俺相手に、気まずそうっつーか、照れてるような感じで話す理由なんかねーだろ。
いい加減ひとりで考えてんのも嫌になって聞くと、沢村が慌てて答える。
「そ、そんな事ないよっ! あたし、普通だし!」
「明らかに焦ってんじゃん。
おかしーだろ。キスした時だってたいして焦ってなかった上に、その後平気でキスの事話題にして……、」
「ちょ……っ、キスキス言わないでよ! 誰かに聞かれたら困る……っ」
「別に俺は困んねーし」