恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


走ったからじゃない。

先輩が理由でもない。


都築くんへの気持ちに、気付いたから―――……。


先輩を想うあたしごと包んでくれてた都築くんに、いつの間にか惹かれてた。

そんな都築くんの存在が、あたしの中で、先輩を想う気持ちを超すぐらいに大きく膨らんでいって……。

先輩を、追い抜いてた。


気付くのが遅れるくらいに、優しく、自然に。


「……っ、」


なんでこんな時に限っていないの?

いつもいてくれたのに。


いつもいつも……、優しい手を伸ばして待っててくれたのに。

あたしが手を伸ばした時にはいないなんて、そんなの……。


「バカ都築……。タラシ……」


俯きながら、ポツポツつぶやく。

……完全な八つ当たりだけど。


「遊び人、チャラ男―――、」

「―――誰がだよ」




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