恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
後ろから聞こえてきた声。
バっと振り向くと、苦笑いした都築くんがいた。
「つーか、チャラ男じゃねーって何回言ったら分かるんだよ」
「……つ、づきくん」
「おまえ、生徒会室で待ってても戻ってこねーし、教室行ったらカバン置きっぱなしだし。
途中で本宮に会って聞いたら、もう帰ったとか言うし。
ここにいなかったら探し回るとこだった」
「……ごめん」
「ほら」
呆れたように笑った都築くんが、あたしのカバンを差し出す。
たったそれだけなのに、苦しくなって涙が出そうになった。
あたしに向けられてる笑顔。
“おまえ”って呼ぶ声。
優しさ。
全部が、特別に思えた。