恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「でも、沢村もそれを分かって傍にいるんだからいいんじゃねーの?
それに沢村、男運がないって定評があるらしいから、大丈夫だろ。
本宮がどんだけダメ男でも、へこたれなさそうだし」
「……だから、余計に厄介なんだよ。
気持ちに応えるわけでもないし、突き放せるわけでもない。
こんな男、すぐ愛想つかせてやめればいいのに」
「付き合う気とかねーの? ……もう、潮時だろ。
沢村を可愛いって思えるなら、付き合えば好きになれんじゃねーの?
あいつタフそうだし」
しばらく、沈黙があった。
お互いに何も言わない時間が過ぎた後、本宮がふっと笑う。
「なんでなんだろうな。
唯と向き合いたいのに、なんでそれができないのか。
俺にも分からないんだ」
「……」