恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「大事には思ってるけど……、いつまで我慢できるか自信ねーな」
「……」
「自分がこんな余裕なくなるとか、想像もしてなかったし。でも……」
「……でも?」
「やっと手に入れたと思うと、もったいなくて手がでない」
苦笑いにも見える笑い方で笑う都築を見て、胸が鳴いた。
「帰るか」
「うん」
あたしのボタンを1つとめながら、都築くんが言う。
笑顔で頷くと、都築くんは机に置いてあったカバンを持とうとして……、ピタっと止まって振り返った。
「そーいえば、おまえ、ここどーした?」
手を伸ばした都築くんが触ったのは、あたしの左の頬。
そこにあるのは……、小さな傷。
ギクリとしながら目を逸らす。