恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「唯の事、可愛いと思う。
けど……、それと彩香を想う気持ちは、別次元な気がして……。
そんな気持ちで唯と向き合うなんてできないだろ」
入り込んできた風が、本宮の持っているプリントをバサバサ揺らす。
「女々しい男だろ」
わざと軽く笑いながら言う本宮。
それを見て、俺も呆れて笑う。
「別に。好きな女コロコロ代える男よりはいいだろ。
……本宮がどれだけ入れ込んでたか知ってるし。
どんだけ長い間引きずってようが俺には関係ねーし。
でも、校内の生徒会長ファンは、その女々しさには幻滅するかもしれないけど」
わざとどうでもいい事を言うと、本宮が笑う。
そして、俺に向き直った。