恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「あ、転んじゃって」
「……ふーん」
「それより、そろそろ鍵返さないと、先生に疑われちゃうよ」
会議が終わった、生徒会室。
ふたりで残っていちゃいちゃしてたけど、会議が終わってからもう30分が経過してた。
誤魔化そうと言ったあたしをじっと見た後、都築くんは「じゃ、行くか」って、あたしを駅まで送ってくれて。
別れ際、意味深な目であたしを見た。
「転ばないよーに気をつけろよ」
帰りの電車の中、意外と心配性の都築くんにひとりで微笑む。
頬を動かすと、すり傷がぴりって痛んだ。
ほっぺを触りながら苦笑いをして、傷がついた理由を思い出す。
今日の傷は、3年の先輩方に足を引っかけられて、なんとか転ばずに体勢は整えたんだけど、壁にすったのが原因。
都築くんには気付かれないですんだ膝のすり傷は、4組の木村さん集団に背中を押されて転んだせい。
あたしの戦いは、2週間前から始まってる。