恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「っていうか、あたし、都築くんに卑怯な手なんか使ってない……、」
「嘘ばっか! あんたみたいな普通レベルの女が、汚い手使わないで都築を落とせるわけないじゃん」
「……」
「どーせ泣き落としとかしたんでしょ。
あと、生徒会長に弱味聞き出して、それで揺さぶって付き合ってもらってるとか」
……あたし、どんだけ悪い女だと思われてるんだろ。
っていうか、弱み握って付き合ってもらったって全然嬉しくないし。
けど、今反論しても、平井さんのイライラ度をあげるだけだって分かってたし、黙ってしゃがんだ。
「ほら、何も言えないじゃん。図星だからでしょ」
しゃがみ込んで教科書を拾っていると、そんな声が上から落ちてくる。
見上げると、ふふん、って顔した平井さんがあたしを見下ろしていた。