恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
よく、彼氏がモテる方がいいとか言う子もいるけど、絶対そんな事ないと思う。
大体彼氏とかって人に自慢するモノじゃないし。
好きだったら、その人が周りにどう思われてようが関係ないって言うか……。
でも、そんな考えを持ってるせいで元カレの時はひどい目に遭ったけど。
そんな事を思いながら、まだ床に残ってる教科書を拾おうとして。
その手が止まる。
「あ」
あたしよりも先に落書き入りの教科書を拾い上げたのは、津田さんだった。
津田さんは、“尻軽女!!”って殴り書きされた表紙を見て顔をしかめた後、中をパラパラめくる。
そして、まんべんなく落書きされてる中身を見てから、あたしを睨むように見た。
「なにこれ。嫌がらせされてんの?」
「あー……、まぁ、うん。都築くんのファン、結構本気の子が多いみたいで」
「これ、尚哉は知ってるの?」
「ううん。だから、津田さんも内緒にしてくれると助かるんだけど……いい?」