恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
お願いすると、津田さんはもっと顔を険しくする。
バチバチ音がなりそうなまつ毛が、すっごい迫力……。
「バカじゃないの?! こんなの尚哉に言えばすぐ解決するでしょ?
なんで言わないわけ?」
「なんでって……、まだ言うほどの事でもないかなって思って、なんとなく、」
「別にアンタがひとりで我慢するような事じゃないでしょ?
付き合うって決めたのは、尚哉とアンタのふたりなんだから、ふたりの問題じゃん!」
真っ直ぐに見つめたまま言う津田さん。
派手なメイクに、きつい香水。
けど、芯みたいなモノを持ってて、それに嘘をつかない。
本当はあたしにイライラしてもいいハズなのに。
今津田さんが頭にきてるのは、卑怯な嫌がらせにだ。
そういうところ、密かに大好きだから。
怒ってくれる津田さんを見てると、自然と笑顔になる。