恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「ところで、その髪とピアス。
生徒会役員には相応しくないから直せよ」
「だったら最初っからそういう真面目なヤツを選出しろよ」
「尚哉は元がいいんだから、そんな飾る必要もないだろ。
外見いじりたくなるような何かがあったのか?」
少し心配した顔をして聞いてくる本宮。
部長体質つーか。
他人の心配ばっかするところは、中学の頃から変わらない。
「なにも。ただ、部活入んねーんなら、黒い髪のままいる必要もないだろ」
「生徒会に入っただろ」
「入れられたんだよ、勝手に。
片っ端から振ってかかる、女泣かせの会長に」
「尚哉こそ、浅い付き合いばっかしてないで、特定の子作れよ。
大事にしとかないと、別れ際、女は怖いから」
「それ、沢村にも言われた。
好きな男が絡んでくると、女は怖いって」
本宮は吐き出すように笑った後、俺の前を通り過ぎる。