恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「唯が言うなら間違いないな。気をつけろよ、尚哉」
「だから、んな深い付き合いした女いねーし。
お互い分かり合った上で遊んでんだよ」
返事をしないまま歩く本宮が、階段を一段下りる。
そして、思い出したように俺を振り向いた。
「尚哉を生徒会に入れた理由。
もう一度おまえとチーム組んでみたかったんだよ。
おまえと組んだチームを、悪い思い出のまま残したくなかったんだ」
「……」
「じゃあ、よろしくな」
本宮が階段を下りる。
校舎に響く足音がじょじょに遠くなったのを聞いてから、窓の外に視線を向けた。
体育館を眺めながら、本宮とチームを組んだ最後の試合を思い出す。
ボロボロに負けた試合を。
……ボロボロになった本宮を。