恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


「唯が言うなら間違いないな。気をつけろよ、尚哉」

「だから、んな深い付き合いした女いねーし。

お互い分かり合った上で遊んでんだよ」


返事をしないまま歩く本宮が、階段を一段下りる。

そして、思い出したように俺を振り向いた。


「尚哉を生徒会に入れた理由。

もう一度おまえとチーム組んでみたかったんだよ。

おまえと組んだチームを、悪い思い出のまま残したくなかったんだ」

「……」

「じゃあ、よろしくな」


本宮が階段を下りる。

校舎に響く足音がじょじょに遠くなったのを聞いてから、窓の外に視線を向けた。


体育館を眺めながら、本宮とチームを組んだ最後の試合を思い出す。


ボロボロに負けた試合を。

……ボロボロになった本宮を。




< 39 / 448 >

この作品をシェア

pagetop