恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「でもあいつ、都築にチクったりしてないんだよねー。
なんでだろー」
「いい子ぶってるだけなんじゃない?
被害者モードオンになっちゃって、悲劇のヒロイン気取りなんでしょ。
得意そうじゃん。そーいう男の気を引く演技とか」
「言えてる~」
立ち上がって、耳障りな声で笑う4人の女を見下ろす。
1人は見覚えがある気もするけど、他は知らない顔だった。
つまり、俺とは関った事もない女。
なのに、なんで唯の陰口を叩いてるのかは知らねーけど。
睨みつけるように見下ろしながら、小さくため息をついた。
『でもあいつ、都築にチクったりしてないんだよねー』
……やっぱりか。
なんとなく、そうだとは思ってた。
けど、ホントにそうだって分かるとあんま面白い気分じゃねーな。