恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「もうすぐ体育祭かー。楽しみだよね」
昼休みの裏庭。
唯はいつも通り、元気そうな人懐っこい笑顔を俺に向ける。
「生徒会のヤツは楽しむどころじゃないって本宮が言ってたけどな。
とりあえず、文化祭の二の舞にならなきゃいーけど」
「……なんか、あんまり笑えない」
苦笑いする唯を見ると、不安要素があるみたいだった。
文化祭の時嫌がらせした佐藤とは、もう和解してる。
それなのに不安がるって事は……。
その原因が他にあるって事だ。
例えば、昨日の放課後、図書館にいたヤツらとか。
「なんかあったらすぐ言えよ」
「え?」
「文化祭の時みたいに、誰かにハメられそうになったら」
わざとカマかけて言うと、唯はそれを知ってか知らずかニコっと笑う。