恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「あんなの、1回で十分だけどね」
誤魔化そうとしてんだか分かんねーけど。
「そういえば、昨日の昼休み、どこ行ってた?
始まって10分くらい、教室にいなかっただろ」
「あ、うん。佐藤さんと話してたから」
「佐藤と?」
唯の頭を抱き寄せながら聞くと、唯は少ししてから答える。
「うん。えっと……、選択教科の音楽の話をちょっと。
ほら、都築くんは美術選択だから知らないかもしれないけど、色々あって。
パート分けとか」
「……ふーん」
それが本当かどうかは分からないけど。
9割方嘘だと思いながら、呟くように返事をした。