恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
そう思うと堪らない気持ちがこみ上げてきて……。
感情のまま、唯を抱き締めてた。
頭と背中に手を回して抱き締めると、力の強さに戸惑ったのか、唯が俺を呼ぶ。
「……都築くん?」
不思議そうに呼ぶ声。
少し頼りなく聞こえる、弱い声。
そーいう声で、俺を頼ってくれればいいのに。
しばらく抱き締めてから、唯の顔に手をかけて目を合わさせる。
そこで、顔のキズに気付いた。
「これ、どーしたんだよ」
頬のキズに触りながら言うと、唯は「あ」と今気付いたみたいに答える。
「体育の時にボールがかすったんだよね。
なんかひりひりすると思ってたんだけど、やっぱりキズになってたんだ」
「……ふーん」