恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


本当かどうか疑いながら返事をしたのが分かったのか、唯が慌てたように口を開く。


「違うよ、これはイジメられたとかじゃなくて、本当にバレーボールの試合中にあたしがぼーっとしてたからで……」

「『これは』って事は、他のキズはイジメられたからって事か?」

「そんなわけないじゃん。今のは、言葉のアヤっていうか……、変な言い方しちゃっただけ」

「……へぇ?」


俺が納得してないって事は、唯も気付いてるみたいだった。

けど、唯が嫌がらせされてんのを知りながらいつまでもほっとく気もなかったし、そのまま何も言わずに唯の反応を見る。


どーせまたいいわけだとか、俺を誤魔化すような事を言ってくると予想して見ていると、目が合う。


じっと、上目遣いで見上げられて、思わず顔をしかめた。


いつもは見せない顔に、少し緊張する。


他の女にはこーいうねだるような顔された事もあったけど……。

唯は、女の武器みたいに言われる態度を取ったりするヤツじゃないから、こーいうのは初めてで。



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